• 面会交流を行うにあたって何か作っておいた方がいい書面はありますか?
  • 作り方を教えてもらえますか?

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

別居後、あるいは離婚後は、どちらかの親が子どもと離れて暮らさなければならず、その際に課題の一つとなるのが面会交流です面会交流については、そもそも行うかどうかをめぐってもめることがありますが、仮に行うことには合意できても、どのようなルールで行うかでもめるケースも多々あります。

そこで、今回は、面会交流のルールを定める面会交流の合意書について詳しく解説したいと思います。この記事をお読みいただければ、面会交流の合意書とは何か、なぜ作った方がいいのか、どのように作ればいいのか、合意書にはどんな条項・内容を盛り込めばいいのかがわかります。

ぜひ最後までご一読いただき、今後の参考にしていただければ幸いです。

この記事を書いた人

行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
離婚・夫婦問題のみを取り扱う行政書士です。夫婦トラブルの相談(カウンセリング)、離婚・不倫関係の各種書面の作成などに対応しています。自身も2児の父親として子育て真っ最中です。「依頼してよかった」と思っていただけるよう、誠心誠意、最後まで責任をもって対応いたします。
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面会交流の合意書とは?

面会交流の合意書とは、面会交流のルールについて相手と話し合った上で、合意できたルールの内容についてまとめた書面です。契約書の一種で、お互いに合意書にサインした以上は、合意書に書いたルールを守って面会交流を行っていく必要があります。

どんなときに作る?

面会交流の合意書は次のいずれかの場合に作ることが多いです。

  • 別居するとき
  • 離婚のときに面会交流の取り決めをしていなかったものの、離婚後に取り決めをしたいとき

なお、別居のときに別居合意書を作り、その中に面会交流に関する条項を盛り込む場合、離婚のときに離婚協議書(あるいは離婚公正証書)を作り、その中に面会交流に関する条項を盛り込む場合は、あらためて面会交流の合意書を作る必要はありません。

面会交流の合意書を作るメリット

面会交流の合意書は、面会交流の面会交流を行うにあたって必ず作らなければならないわけではありませんが、作ることで以下のメリットがあります。

ルールを明確化できる

まず、面会交流のルールを明確化できることです。

口約束だけで済ませてしまうと、あとでどんなルールで面会交流を行うことにしたのか言った・言わないのトラブルになる可能性が高いです。

合意書を作っておけば、お互いにどんなルールを設定したのか一目で確認することができ、上のようなトラブルになることを防ぐことができます。

きちんと話し合える

次に、面会交流のルールについてきちんと話し合えることです。

相手と面会交流のルールについて話し合う前に合意書の原案を作っておくことをおすすめしますが、あらかじめ原案を作っておけば相手と何について話し合えばよいかが明確にすることができ、効率よく話し合いを進めることができます。

合意書を作ることは、面会交流を行うことが書面によって保障されているという意味で相手にとってもメリットといえますので、相手にも話し合いに応じてもらいやすくなります。

子どものためになる

次に、子どものためになることです。

面会交流は誰のために行うかといえば、それは片方の親と離れて暮らす子どものためではないでしょうか?合意書を作っておくことでトラブルを防ぎ、面会交流を円滑に行うことができれば、それはひいては子どものためにもなります。

面会交流の合意書(原案)を作るまでにやっておくこと

面会交流の合意書を作るには「原案作成」→「話し合い」→「正式な合意書の作成」というステップを踏みます。ここでは、原案を作る前にやっておきたいことについて解説します。

面会交流の方法を把握する

面会交流の合意書(原案)を作るにあたっては、面会交流が面会という直接的な方法だけでなく手紙やメール、写真のやり取りなどの間接的な方法もあることを知っておく必要があります。まずは、直接的な方法で行いたいのか、間接的な方法で行いたいのか、あるいは両方を混合してやっていくのか、あなたの希望を考えておく必要があります。

各方法で決めておくべきルールを知る

どの方法で面会交流をやってきたいか決めたら、次は、各方法でどんなルールを決めたらいいのかを把握します。どんなルールを決めなければならないという決まりはありませんが、おおよそ決めなければいけない基本となるルールは決まっていますので、まずはその基本となるルールを把握しておきましょう。

第三者機関の利用を検討してみる

また、面会交流を負担に感じるようであれば、第三者機関を使って面会交流を行うことも考えておく必要があります。そもそも第三者機関とは何か、どんな支援を受けることができるのか、どこにどんな機関があるのか、使うにはどのような手続きが必要か、費用はいくらかかるかなど、細かくチェックしておきましょう。

面会交流の合意書を作るまでの流れ

別居のときに面会交流の合意書を作る場合の流れは次のとおりです。なお、離婚後に合意書を作る場合は①はスキップしてください。

①別居・離婚の準備をする

②面会交流の合意書の原案を作る
※別居合意書を作る場合は別居合意書の原案を作る

③相手に話し合いを切り出す → 調停or審判
↓              ・監護者指定の審判
・面会交流調停
④合意書にサインする

①別居の準備をする

まず、面会交流を検討されているということは、別居を検討されていると思います。

そこで、相手に別居を切り出す前に別居の準備をしましょう。準備不足のまま切り出ししてしまうと、あとで経済的、精神的、体力的な面で後悔してしまう可能性があります。

別居の準備は面会交流に限られません。別居後のお金(収入)や住まい、お子さんのことなど準備しなければいけないことは多く、時間がかかります。

どちらが子どもと暮らすかで相手ともめるおそれがある場合は、監護者(※)を決める上でのポイント(※親権者の場合と基本的には同じ)を抑え、それを証明する証拠を集めておくことも必要です。

※親権のうちの監護権をもつ親=子どもと一緒に暮らし、子どもの生活の世話をする親

②面会交流の合意書の原案を作る

次に、別居の準備と並行して面会交流の合意書の原案を作っておきます

原案は必ず作らなければならないわけではありませんが、作る過程で相手と何を話し合い、どんなことについて取り決めればよいのか頭を整理することができます。また、話し合いのときには原案をたたき台にして話し合いを進めることができ、話し合いをスムーズに進めることができます。原案の作り方に決まりはありません。メモ帳や要らなくなった紙に手書きしてもかまいません。

③相手に話し合いを切り出す

次に、別居の準備が整い、別居後の生活の不安を取り除くことができた段階で相手に話し合いを切り出します。話し合いを切り出すタイミング、場所にも注意しましょう。

まずは相手が話し合いに応じてくれるかどうかですが、そもそも相手が子どもと一緒に暮らすことを望んでいて、どちらが子どもと一緒に暮らすかでもめる可能性があります。相手は話し合いに応じない、話し合いをしても話がまとまらない場合は監護者指定の審判を(状況によっては面会交流の調停もあわせて)申し立てることも検討します。

一方、相手が話し合いに応じる場合は原案をベースに話し合いを進めます。相手の話にも耳を傾け、話し合いを一回で終わらせようとせず、お互いが納得できるまで話し合うことが大切です。

④合意書にサインする

話し合いの結果、話がまとまったら話し合いの内容を反映した合意書を作ります

合意書は2部作り、2部ともお互いにサインします。合意書が2枚以上にわたる場合は契印を押します。また、相手の合意書との間に割印を押すことも忘れないよう注意しましょう。

1部はあなたが保管し、もう1部は相手に渡します。取り交わした後は、面会交流を行う際、今後ルールを変更する際に必要となりますので、なくさないよう厳重に管理しておきましょう。

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【有料コンテンツの目次】
 6 面会交流の合意書に盛り込む項目・内容(例)
6-1 全体像
6-2 標題、導入
6-3 面会交流の頻度、日時
6-4 連絡手段
6-5 子どもの引き渡し方法、面会交流の場所
6-6 費用負担
6-7 締め・日付・住所・電話番号・氏名押印
 7 面会交流の合意書の【サンプル】(無料ダウンロード)
  8 作り方に困ったら行政書士にご依頼