• 離婚した元夫の住所を知りたいです
  • 元夫の住所を調べるにはどうしたらいいですか?

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

離婚した後、元夫に手紙や書面でコンタクトをとる必要があって、元夫の住所を知りたいという場面が出てくることがあります。もちろん、元夫に直接住所を聞いて正直に答えてくれればいいのですが、長年音信不通になっていたり、急に連絡先を変えるなどしてコンタクトをとれないという場合もあると思います。

そこで、今回は、元夫の住所を知るための4つの方法について解説していきたいと思います。今後の参考にしていただけると幸いです。

この記事を書いた人

行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
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元夫の住所を調べる方法①~面会交流を行う

まず、面会交流を行うことです。

相手が面会交流を自分の生活圏内で行う場合は相手の住所をおおよそ把握できる場合があります。面会交流の取り決めをする際は、可能であれば、あえて付き添いを希望してみたり、相手が希望する場所を子どもの引き渡し場所に設定みてもよいでしょう。

また、子どもがある程度の年齢になれば、どこで面会交流したのか子どもから直接聞いてみるのも一つの方法です。子どものための面会交流をこのような方法に使うのは本意ではないかもしれませんが、子どものため、自分たちの生活を守るためと割り切ることができるのであれば試してみる価値はあります。

元夫の住所を調べる方法②~住民票を取得する

次に、離婚前の住民票(住民票の除票)を取得することです(ただし、取得することにつき「正当な理由」がある場合)。

離婚前の住民票には、離婚前の住所のほか、異動後の住所なども書かれています。そのため、離婚前の住所を取得すれば、相手の住民票上の住所がわかる可能性があります。

もっとも、そもそも相手が住民票の異動届をしていない(離婚前の住所のままの)場合がありますし、仮にしている場合でも住民票上の住所に実際に住んでいるとは限りません。

また、住民票は、原則同一世帯の人しか取得することができません。そのため、あなたが住所を異動させ、元夫を世帯主とする住民票から外れた場合には、あなたは元夫を世帯主とする住民票(除票)を取得することができなくなります。

なお、例外として、あなたが住民票を取得することについて「正当な理由がある」と認められた場合には住民票を取得することができます。たとえば、養育費の未払いが続いており、元夫の住所宛に養育費の請求書面を送りたいため住所が知りたい、という場合です。

この場合は、住民票の交付請求書とともに、正当な理由があることを証明するための書類(養育費の取り決めに関する合意書、養育費の振込み先の口座の通帳(写し))もあわせて提出する必要があります。

元夫の住所を調べる方法③~戸籍の附票を取得する

次に、離婚前の戸籍(※)の附票を取得することです。

戸籍の附票とは住所の履歴書のことで、戸籍の附票を見れば元夫がどこに住所を異動させたのかがわかります。ただし、住民票と同じく、元夫が住所の異動届をしていることが前提となります。また、元夫が戸籍の附票上の住所とは違う場所に住んでいる可能性もありますので、元夫の住所を絶対に特定できるという保障はありません。

なお、戸籍の附票を取得できるハードルは元夫が本籍を変えていないか、変えているか(転籍しているか)で異なりますので、以下わけて解説したいと思います。

※元夫が戸籍の筆頭者(戸籍の「本籍」の下に「氏名」が書かれている人)という前提で解説します

本籍を変えていない場合

まず、元夫が本籍を変えていない場合は、元妻は「元夫の戸籍の附票に記録されている人(その戸籍の附票から除かれた(除籍された)人)」という立場で元夫の戸籍の附票を取得することができます

元夫が戸籍の筆頭者の場合、元妻はその戸籍の附票から除かれますが、元妻の(離婚前の)住所の情報は元夫の戸籍の附票に記録されたままですので、元妻はその戸籍の附票の「本人」という立場で戸籍の附票を取得することができます。

本籍を変えた場合

一方、元夫が「自分の戸籍から離婚の事実を消したい」、「新しいパートナーと再婚する」などという理由から、離婚後に本籍を変える(転籍する)ことがあります。

この場合、元妻の住所の情報は元夫の転籍後の戸籍の附票に引き継がれないため、元妻は「元夫の戸籍に記録されている人」という立場で元夫の戸籍の附票を取得することができません

ただし、次の場合には元夫の戸籍の附票を取得できることがあります。

子どもの戸籍が元夫の戸籍に入っている場合

まず、子どもの戸籍が元夫の戸籍に入っている場合は、元夫が転籍したとしても子どもの戸籍の附票は元夫の戸籍の附票に引き継がれます。そして、子どもは「元夫の戸籍の附票に記録されている人」にあたり、元夫の戸籍の附票を取得できます。したがって、子どもの親(元妻)は、子どもが未成年者(18歳未満)の場合、子どもの法定代理人として元夫の戸籍の附票を取得できます

子どもの戸籍が元夫の戸籍に入っていない場合

一方、子どもの戸籍が元夫の戸籍に入っていない場合は、子どもは「元夫の戸籍の附票に記録されている人」にはあたりません。

しかし、戸籍の附票は「戸籍の附票に記録されている人」だけでなく、戸籍に記録されている人(元夫)の配偶者、直系尊属、直系卑属でも取得することができます。このうち、子どもは元夫の「直系卑属」にあたりますから、子どもはもちろん、子どもの親(元妻)も、子どもが未成年者の場合は、子どもの法定代理人として元夫の戸籍の附票を取得できる可能性があります

また、子どもや子どもの法定代理人としてではなく、あくまで元妻として請求する場合は、養育費などの請求する権利を行使するために戸籍の附票の取得が必要であることを明らかにして申出をした上で、役所がその申出を相当と認めた場合には元夫の戸籍の附票を取得することができます

元夫の住所を調べる方法④~弁護士等に依頼する

最後に、弁護士等の専門家に依頼することです。

弁護士、司法書士などの専門家は、依頼を受けている事件について、業務の遂行に必要と認められる場合には、戸籍の附票を取得することが法律で認められています。弁護士であれば弁護士照会制度によって、携帯電話番号などの情報から元夫の住所を調べることもできます。

ただし、専門家に元夫の住所を調べてもらうには、専門家に養育費の請求など具体的な依頼をしなければいけません。元夫の住所を調べることだけを引き受けてくれるわけではありませんので注意が必要です。もし、元夫の住所だけを専門に調べて欲しい場合は探偵に依頼するのも一つの方法です。