• 離婚協議書の通知義務とは何ですか?
  • どんなケースで使いますか?
  • どのように書けばいいですか?

この記事ではこのような疑問・悩みにお応えします。

ネット上の離婚協議書のサンプルを見ていると、通知義務の条項を設けているサンプルがあります。ただ、通知義務とはどのような義務なのか、あまり理解しないままサンプルを丸写ししてしまうのは危険です。

そこで、今回は、離婚協議書に盛り込まれている通知義務とは何か、どんなケースで盛り込んだ方がいいのか、通知義務の文例をご紹介しながら解説します。

この記事を書いた人

行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
離婚・夫婦問題のみを取り扱う行政書士です。夫婦トラブルの相談(カウンセリング)、離婚・不倫関係の各種書面の作成などに対応しています。自身も2児の父親として子育て真っ最中です。「依頼してよかった」と思っていただけるよう、誠心誠意、最後まで責任をもって対応いたします。
プロフィールはこちら

離婚協議書の通知義務とは?

離婚協議書の通知義務とは、夫婦の双方がお互いに、あるいは一方が相手に対して

  • 勤務先
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 住所
  • SNSのアカウント
  • 再婚の事実

などを通知する義務を定めた離婚協議書の条項の一つです。

離婚協議書に通知義務を盛り込むケース

離婚協議書に通知義務を盛り込む主なケースは次のとおりです。

養育費の取り決めをする場合【文例あり】

まず、養育費の取り決めをした場合です。

一度養育費の取り決めをしたとしても、離婚後の事情の変更によって養育費が未払いになったり、養育費の金額を増額・減額しなければならない場合が出てくるかと思います。

養育費の未払いに対処するため、あるいは養育費の金額を変更するには、まずは相手と話し合う必要がありますが、話し合いのためにはお互いがコンタクトをとれる状況になっていなければいけません。

第○条(通知義務)
甲は、乙に対し、次の事項に変更があったときは、変更があった日から1週間以内に、変更した事実及び変更後の内容をLINEにて通知する義務を負う。
⑴勤務先
⑵連絡先(電話番号、LINEアカウント、メールアドレス)
⑶住所(居所、または住民票上の住所)

面会交流の取り決めをする場合【文例あり】

次に、面会交流の取り決めをする場合です。

離婚のときの取り決め方によっては、面会交流を行う日時・場所、子どもを引き渡す時間・場所、面会交流の開始・終了時間等について、あらかじめ相手と話し合って決めておく必要があるため、その前提として、お互いがコンタクトをとれる状況になっていなければなりません。

第○条(面会交流)
1 (略)
2 甲及び乙は、面会交流に関して連絡する必要がある場合は、原則としてLINEを使用することとし、子どもの急病など緊急時にのみ電話にて連絡を取り合うものとする。
3 甲及び乙は、前項の連絡手段に関して変更があったときは、他方に対し、変更後の内容を速やかに通知するものとする。

相手の住所を調べるその他の手段

離婚協議書に通知義務を盛り込むこと以外にも、次の方法で相手の住所を調べることができる可能性はあります。離婚協議書に通知義務を盛り込んでも相手からアクションがなければ相手の住所を知ることができません。一方、以下の方法はあなたからアクションを起こして相手の住所を調べることができます。絶対に住所を特定できるという保障はありませんが、試してみる価値はあります。

  • 面会交流を行う
  • 住民票を取得する
  • 戸籍の附票を取得する
  • 弁護士に養育費の請求を依頼する

離婚協議書の通知義務に関するQ&A

最後に、離婚協議書の通知義務でよくある質問にお答えします。

通知義務を負うのは誰ですか?

決まりはなく話し合いで決めます。双方が負うことにしてもよいですし、夫婦の一方が負うことにしてもかまいません。

相手から通知義務を盛り込むよう求められていますが、応じなければいけませんか?

応じる必要はありません。また、相手があなたに通知義務を強制的に課す方法もありません。

相手が通知義務を守らなかった場合、賠償金を請求できますか?

ただちに請求はできません。相手が通知義務を守らなかったことで、どんな損害が発生したのか証拠をそろえて証明する必要があります。この立証を省きたい場合は違約金条項を盛り込んでおくことが考えられますが、盛り込むには相手の同意が必要です。