• 行政書士と弁護士との違いって何ですか?
  • 離婚ではどちらに依頼した方がいいですか?

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

はじめて離婚のことを専門家に相談、依頼される方にとっては、行政書士も弁護士も同じ「離婚の専門家」にみえるかもしれませんが、実は大きな違いがあります。

そこで、今回は、行政書士と弁護士の違いや離婚で困ったときに行政書士と弁護士のどちらに相談、依頼すればよいのか、その判断基準をお示ししたいと思います。

この記事を書いた人

行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
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行政書士と弁護士との違い

まず、行政書士と弁護士との違いを簡単にみていきましょう。

行政書士とは

行政書士は「法的な書面を作成するプロ」です。戦前は「代書人」ともいわれていました。

離婚においては「離婚協議書」や「離婚公正証書の原案」を作ることができます。また、カップル間で取り交わす「結婚(婚前)契約書」、夫婦間で取り交わす「別居合意書」、「面会交流合意書」、「示談書」、「誓約書」などの書面も作ることができます。一方、弁護士のように依頼者の代わりに相手と話し合ったり、裁判の手続きを行うことができません。

弁護士とは

弁護士は「法律のプロ」です。

法的な書面作成はもちろん、相手との話し合いや裁判手続きまでも代行してくれます。あらゆる場面で対応できるのが弁護士です。相手と話し合うといっても、そもそも相手が簡単に話し合いに応じずに話し合いができない、話がまとまらない、というケースもあるかと思います。場合によっては調停や裁判で解決しなければならないケースも出てくるでしょう。そうした場合に依頼者の代わりに活動してくれるのが弁護士です。

離婚における行政書士と弁護士の違い

次に、行政書士と弁護士との違いを離婚業務に限ってみていきましょう。離婚業務における行政書士と弁護士の違いは次のとおりです。

行政書士
弁 護 士
離婚協議書等(※1)の作成
離婚公正証書の作成(※2)
相談(※3)
代理交渉
裁判手続き
費用(※4)低額高額
離婚における行政書士と弁護士の違い

※1
別居合意書、面会交流合意書、示談書、誓約書等の書面を含みます。

※2
離婚公正証書は公証人が作成します。行政書士、弁護士は離婚公正証書の「原案」を作成します。

※3
行政書士は一般的な回答はできますが、個別事案のアドバイスはできません。

※4
行政書士は高くても10万円以内でおさまることが多いです。一方、弁護士の場合、事案の内容や何を、どこまで依頼するかなどによって異なります。安くても20万円前後、高くて100万円以上かかることもあります。

離婚公正証書の作成を除いて、弁護士はすべての場面で対応してくれますが、行政書士と比べて費用が高額になる傾向です。一方、弁護士と比べて行政書士が対応できる場面は限られますが、費用は低額となる傾向です。

離婚で相談・依頼するのは行政書士?弁護士?

行政書士と弁護士の違いをご確認いただいたところで、離婚のことで相談したいと思ったときに行政書士と弁護士のどちらに相談、依頼すべきなのでしょうか?迷ったときは、以下の基準を参考にしてみるとよいかと思います。

話し合いができるかどうか

まず、ある程度自分たちで離婚の話し合いができる、話がまとまる、という場合は行政書士に離婚協議書(離婚公正証書の原案)の作成のみを依頼してもよいでしょう。完全な形で話がまとまっていなくてもかまいません(というか不可能です)。書面を作る過程で、行政書士からアドバイスを受けながら話をまとめていくことも可能です。

一方、相手が話し合いに応じず話し合いができない、非協力的で話がまとまらない、という場合は弁護士に依頼することを検討しましょう。弁護士に依頼する最大のメリットは、弁護士が依頼者の代わり相手と話し合ってくれることで依頼者の精神的な負担を軽減できることです。特に、相手がDV・モラハラ気質、暴力的・高圧的な場合は、はじめから弁護士に依頼すべきです。

調停、裁判にまで発展するかどうか

話し合いで話がまとまらない場合は調停(調停で解決できない場合は裁判)で離婚を成立させることを検討しなければいけません。調停の手続きはご自分で行うことも可能(裁判まで進む場合は弁護士に依頼すべき)ですが、専門家の手を借りたいという場合は弁護士に依頼した方がいいでしょう。

費用を負担できるかどうか

いくらまで費用を負担できるかも、行政書士に依頼するのか弁護士に依頼するのかの判断基準となります。一般的には行政書士よりも弁護士の方が費用が高額となる傾向にあります。離婚では専門家の費用以外にも様々なお金がかかりますので、トータルで考えて依頼するのかしないのか、依頼するとしてどちらに依頼するのかじっくり考えましょう。