離婚後の手続きは何が必要?漏れなく進めるための必要な手続のすべて

離婚後の手続きにはどんなものがあるの?
手続きの期限は?
手続きを行う場所は?
手続きに必要なものは?

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

離婚は、する前も大変ですが、した後も様々な手続きが必要となることがあり大変です。そこで、離婚した後慌てないためにも、離婚する前から離婚後にどんな手続きが必要となるのか、ある程度把握しておくことが大切です。
今回は、離婚後に必要なすべての手続きをまとめてみました。一つでも漏れがあると、のちのち生活に大きな影響が出てくる可能性があります。大変かもしれませんが、漏れがないように一つずつじっくりチェックしてみてください。

離婚後の手続き(1)~離婚届の提出

離婚の方法は協議、調停、審判、裁判(和解、認諾、裁判)がありますが、いずれの方法で離婚するにしても、まずは役所の戸籍課(係)に離婚届を提出することからすべてがはじまります
離婚届を提出する役所は本籍地または現所在地の役所です。本籍地以外の役所に提出する場合は、婚姻時の戸籍謄本1通が必要です。

協議離婚では役所に離婚届を提出することが離婚の成立要件です。一方、協議離婚以外は要件ではありませんが、事後的な報告の意味で離婚届を提出する必要があります。

離婚後の手続き(2)~役所での手続き

離婚届を役所の窓口に持参して提出した場合は、できればその足で必要な手続きを済ませたいところです。そこで、以下では、役所で済ますことができる手続きをピックアップしていきます。
なお、手続きの内容等は各役所によって異なります。事前に役所のホームページなどで確認しておくと安心です。

手続き①~転出届

転出届は、現住所の市区町村と異なる市区町村に引っ越す(した)場合に必要な手続きです。

転出届

(手続きが必要な場合)
異なる市区町村に引っ越す(した)場合
(届出を出す役所)
引っ越し前の役所
(期限)
新しい住所に引っ越してから14日以内
※期限内に届出しない場合は5万円以下の過料を科されることがあります
(方法)
ア 郵送
イ 窓口持参
(必要なもの)
ア 郵送の場合
・転出届
※自治体によってはネットからダウンロード可
・身分証明書(運転免許、マイナンバーカードなど)
※マイナンバーカードを提出すると転入届の際に転出証明書の提出が不要です
・返信用封筒
※役所から転出証明書を返送してもらうためのものです
イ 窓口持参の場合
・転出届
・身分証明書
・離婚届受理証明書
※離婚届が受理された後、戸籍課(係)で発行してもらえます(手数料:350円)

手続き②~転居届

転居届は、現住所の市区町村と同一の市区町村内に引っ越す(した)場合に必要な手続きです。

転居届

(手続きが必要な場合)
同一の市区町村内に引っ越す(した)場合
(届出を出す役所)
引っ越し前の役所
(期限)
新しい住所に引っ越してから14日以内
※期限内に届出しない場合は5万円以下の過料を科されることがあります
(方法)
窓口持参
※郵送による転居届はできません
(必要なもの)
・転居届
※自治体によってはネットからダウンロード可
・身分証明書

手続き③~転入届

転入届は、前の住所の市区町村と異なる住所の市区町村へ引っ越した場合に必要な手続きです。

転入届

(手続きが必要な場合)
前の住所の市区町村と異なる市区町村へ引っ越した場合
(手続きを行う役所)
引っ越し先の役所
(期限)
新しい住所に引っ越してから14日以内
※期限内に届出しない場合は5万円以下の過料を科されることがあります
(方法)
窓口持参
※郵送による転入届はできません
(必要なもの)
・転入届
※自治体によってはネットからダウンロード可
・身分証明書
・転出証明書
※マイナンバーカードで転出届をした場合は不要

手続き➃~世帯主変更届

世帯主変更届は、世帯主(※)を変更する場合(たとえば、世帯主である夫が現在の家から出ていく場合など)に必要な手続きです。
※住民票で確認できます。夫であることが多いです。

世帯主変更届

(手続きが必要な場合)
世帯主を変更する場合
(手続きを行う役所)
現住所がある役所
(期限)
世帯主の変更があった日から14日以内
※期限内に届出しない場合は5万円以下の過料を科されることがあります
(必要なもの)
・世帯主変更届
※自治体によってはネットからダウンロード可
・身分証明書

手続き⑤~印鑑登録変更申請

印鑑登録変更申請は、姓を現姓から旧姓に戻す場合、新しい住所に転入する場合に必要な手続きです。

印鑑登録変更申請

(手続きが必要な場合)
・「姓」で印鑑登録している方で、離婚の際に姓を変える場合
・印鑑登録している方で、転出(転入)する場合
※転出届を出したう役所での印鑑登録は自動的に廃止され、転入先の役所での新規の印鑑登録申請が必要です
(手続きを行う役所)
現住所の役所又は転入先の役所
(必要なもの)
・印鑑登録申請書
・登録する印鑑
・身分証明書
・印鑑登録証
※登録している印鑑を別の印鑑に変更する場合のみ必要

手続き⑥~国民健康保険の届出

国民健康保険の変更届出は「①加入する場合」、「②姓・住所を変更する場合」、「③脱退する(資格喪失する)場合」に手続きが必要です。国民健康保険については次のサイトをご参照ください。
参照:

国民健康保険の届出

(①の場合)
ア もともと国民健康保険に加入しており、転入した場合
イ 退職等により会社の健康保険を脱退した場合
ウ 元配偶者の健康保険の被扶養者でなくなった(扶養から外れた)場合
(手続きを行う役所)
新しい住所の役所
(期限)
それぞれの日から14日以内
ア 転入した日
イ 脱退した日
ウ 扶養から外れた日
(必要なもの)
アの場合
・転出証明書
イの場合
・(あなたの会社名義の)資格喪失証明書
ウの場合
・(元配偶者の会社名義の)資格喪失証明書
ア・イ・ウ共通
・身分証明書
・保険料引き落とし口座となるキャッシュカード又は通帳
・上記金融機関の届出印
(②の場合)(婚姻中から国保に加入しており、離婚後も国保に加入し続ける場合)
ア 姓を変更する場合(住所変更なし)
イ 異なる市区町村へ住所を変更する場合
ウ 同一市区町村内で住所を変更する場合
(手続きを行う役所)
ア 現住所の役所
イ 引っ越し前の役所で資格喪失手続き、引っ越し後の役所で加入手続き
ウ 現住所の役所
(期限)
それぞれの日から14日以内
ア 姓が変わった日
イ・ウ 住所変更の日
(必要なもの)
アの場合
・国民健康保険証
イの場合
・転出証明書
・保険料引き落とし口座となるキャッシュカード又は通帳
・上記金融機関の届出印
ウの場合
・国民健康保険証(世帯全員分)
ア・イ・ウ共通
・マイナンバーカード
・身分証明書
※上記は窓口で本人が手続きする場合です。代理や郵送の場合は必要なものが異なる場合があります。役所のホームページなどでご確認ください。
(③の場合)
婚姻中は国保に加入していたものの、離婚後に健康保険に加入する場合
(手続きを行う役所)
国保に加入していた当時の住所の役所
(期限)
資格を喪失した日から14日以内
(必要なもの)
・国民健康保険証(世帯全員分)
・健康保険の保険証又は健康保険資格取得証明書

※保険料の納付が難しい場合は免除、軽減の申請を
国民健康保険料は離婚後の家計に大きな負担となる可能性があります。経済的な理由から納付が難しい場合は、免除または軽減(7割軽減、5割軽減、2割軽減)できないか、はやめに役所の担当者に相談しましょう。未納が続くと給付を受けることができない(たとえば、医療費を全額負担しなければならい)だけでなく、財産を差し押さえられる可能性がありますので注意が必要です。

手続き⑦~国民年金の届出

国民年金はあなたが「①離婚後、第3被保険者ではなくなった場合」と「②現在、第1号被保険者で姓、住所が変わる場合」で手続きが異なります。
なお、第3号被保険者とは、第2号被保険者(会社員や公務員で厚生年金保険に加入している人。主に元夫)の扶養に入っていた方(主に専業主婦、パート・アルバイトの妻)のことをいいます。第1号被保険者とは、第3号、第2号被保険者ではない20歳以上60歳未満の人(自営業者の人やその妻、家族など)のことをいいます。

国民年金の届出

(①の場合)
元配偶者の被扶養者でなくなった(扶養から外れた)場合
(手続きを行う役所)
新しい住所の役所
(必要なもの)
・個人番号又は基礎年金番号がわかるもの(年金手帳など)
・身分証明書
・健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書
(②の場合)
現在、第1号被保険者で姓、住所が変わる場合
※手続きは不要な場合が多いですが、念のため、お住いの自治体の役所にお問い合わせください。

※保険料の納付が難しい場合は免除、猶予の申請を
令和4年度の第1号被保険者の国民年金保険料は「16,590円/月」です。国民年金についても、経済的理由などから納付が難しい方向けに(申請)免除又は猶予の制度が設けられています。制度について知りたい、利用したいという方は、お近くの年金事務所に相談してみましょう。

手続き⑧~子ども医療費助成制度の変更届出

姓、住所が変わる場合は手続きが必要です。

子ども医療費助成制度の変更届出

(手続きが必要な場合)
ア 転出する場合
イ 転居する場合
ウ 転入する場合
エ 姓が変わる場合
(手続きを行う役所)
ア、イ、エの場合
現住所の役所
ウの場合
新しい住所の役所
(必要なもの)
・住所・氏名変更届
・子どもの医療証
・身分証明書
・保険証

手続き⑨~ ひとり親家庭医療費助成の申請

ひとり親家庭医療費助成制度は、子ども医療費助成制度と同様、子供の通院・入院にかかる費用を自治体が負担してくれる制度です。子ども医療費助成制度に比べて、自治体の負担額がより大きいのが特徴です。

ひとり親家庭医療費助成の申請

(手続きが必要な場合)
次の条件を満たす場合
・児童(18歳以降最初の3月31日までの子供)がいる母子家庭、父子家庭
・所得が一定額以下であること(※自治体によって異なります)
(手続きを行う役所)
現住所の役所又は新しい住所の役所
(必要なもの)
(※自治体によって異なります)
・戸籍謄本
・保険証(対象者全員分)
・所得を証明するもの(児童扶養手当証書、所得証明書(転入の場合))

手続き⑩~児童手当の受給者変更

児童手当は離婚後の重要な収入の一つです。条件を満たせば、離婚前でも受給(受給者変更)できます。手続きや必要なものは現在の状況により異なります。

手続き⑪~児童扶養手当の認定申請

児童手当のほか児童扶養手当も重要な収入源の一つです。児童扶養手当を受給するには、役所に対して認定申請し、役所から認定を受ける必要があります。必要なものは、それぞれの生活状況によって異なりますので、事前に確認しておくと安心です。

児童扶養手当の認定申請

(手続き)
役所に対する認定申請が必要
(手続きを行う役所)
現住所の役所又は新しい住所の役所
(必要なもの)
(※事前に要確認)
・戸籍謄本
・世帯員全員の住民票
・保険証
・預金口座確認書
・養育費等に関する申告書

手続き⑫~マイナンバーカードの記載事項の変更

マイナンバーカードの記載事項(姓、住所)が変わる場合は手続きが必要です。

マイナンバーカードの記載事項の変更

(手続きを行う場合)
姓、住所が変わる場合
※転出届、転居届時にマイナンバーカードを提出している場合は不要
(手続きを行う場所)
現住所の役所、転入先の役所
(手続期限)
姓、住所の変更があった日から14日以内
(必要なもの)
・マイナンバーカード
・身分証明書

手続き⑬~パスポートの記載事項の変更

姓、住所が変わった場合はマイナンバーカードのほか、パスポートの変更手続きも必要です。新しいパスポートを受け取るまでに、1週間前後(土日祝・振替休日、年末年始を除く)はかかりますので、はやめに手続きしておきましょう。
なお、手続きは、今のパスポートを返却して新しい有効期限のパスポートを取得する方法と今のパスポートの有効期限をそのまま引き継ぐ方法の2種類があります。前者を「切替申請」、後者を「記載事項変更手続き」といいます。

パスポートの記載事項の変更

(手続きを行う場所)
各都道府県のパスポートセンター
(必要なもの(切替申請する場合))
・一般旅券発給申請書
・現在のパスポート
・戸籍謄本(6か月以内に発行されたもの)
・写真(6か月以内に撮影されたもの)
・手数料(有効期限5年→11,000円/10年→16,000円)
(必要なもの(記載事項変更手続きする場合))
・記載事項変更手続き用の一般旅券発給申請書
・現在のパスポート
・戸籍謄本(6か月以内に発行されたもの)
・写真(6か月以内に撮影されたもの)
・手数料(6,000円)

参考:パスポート(氏名・本籍等に変更があった場合) | 東京都生活

手続き⑭~その他

以上のほか、役所で必要な手続きとしては以下のものがあります。

・水道の名義(姓、住所の)変更
・原付バイクの所有者の姓、住所の変更
・税金の引き落とし口座の名義変更
・都営・市営住宅の名義、同居人の変更

離婚後の手続き(3)~役所以外での手続き(姓・住所などの変更に伴う手続き)

次に、役所以外で必要な手続きをご紹介していきます。以下では、おすすめする手続き順にご紹介していきますので参考にしてみてください。

手続き①~運転免許証

運転免許証などの身分証明書はほとんどの手続きで必要となるため、はやめに手続を済ませておきましょう。

運転免許証

(手続きを行う場所)
最寄りの警察署、運転免許センター、運転免許試験場
(必要なもの)
・申請書
・運転免許証
・氏名・住所を確認できるもの(以下のいずれか)
 ・住民票の写し
 ・マイナンバーカード
・保険証
・公的機関が作成した郵便物

参考:運転免許証記載事項変更 | 警視庁

手続き②~銀行預金

名義(姓)については、変更しておかないと公共料金が引き落とされなくなったり、クレジットカードが利用できなくなるなど、面倒なことになるおそれがありますので注意が必要です。

銀行預金

ア 実店舗がある銀行の場合
(手続きを行う場所)
最寄りの銀行の支店
(必要なもの)
・通帳
・キャッシュカード
・届出印(不明な場合は可能性のあるものすべて)
・印鑑(新しい姓のもの)
・身分証明書(変更後の姓、住所が記載されたもの)
イ 実店舗がない銀行の場合
(手続きを行う場所)
自宅などインターネット環境がある場所
(必要なもの)
・身分証明書(変更後の姓、住所が記載されたもの)

手続き③~郵便貯金

手続きは最寄りの郵便局窓口で行います。

郵便貯金

(手続きを行う場所)
最寄りのゆうちょ銀行
(必要なもの)
・通帳
・キャッシュカード
・届出印(不明な場合は可能性のあるものすべて)
・印鑑(新しい姓のもの)
・本人確認証(変更後の姓、住所が記載されたもの)

手続き④~クレジットカード

手続きの内容は各クレジットカード会社のホームページなどで確認しましょう。事前に身分証明書と預金通帳の姓、住所の変更手続きを済ませておくとよいです。

参考:住所などの各種変更手続きについて | 日本クレジット協会

手続き⑤~電気、ガス

電気、ガスについては料金プラン、現在の使用状況などによって手続きが異なりますので、会社のホームページなどでよく確認しましょう。契約書などであらかじめ以下の情報を調べておくとよいです。

•現在の名義人の氏名
•これからの名義人の氏名
•電気・ガスのお客様番号(ネット、検針票で調べることが可能です)
•電気・ガスを使用している場所の住所
•電話番号

手続き⑥~携帯電話

手続きの内容は各携帯キャリアのホームページなどでよく確認しましょう。

参考:(姓変更の場合)ドコモ | au | ソフトバンク
   (住所変更の場合)ドコモ | au | ソフトバンク

手続き⑦~インターネット

携帯電話と同様、手続きは各社のホームページでよく確認しましょう。

参考:ドコモ光 | au光 | ソフトバンク光

手続き⑧~郵便物の転送

今の家から出ていく場合は郵便の転送手続きも必要です。手続きの方法は、郵便局で転居届を提出する、か、インターネットのe-転居で手続きするかのいずれかです。届出日から1年と、転送期間に期限がある点に注意が必要です。

参考:転居・転送サービス | 郵便局

離婚後の手続き(4)~子供に関する手続き

子供に関する手続きは、主に、子供の転園、転校に関する手続き、姓・戸籍に関する手続き、が必要です。

転園・転校に関する手続き

まずは、転園・転校が必要かどうかを検討する必要があります。子どもにとって今の環境を変えることは大きな負担ですから、転園・転校させないことを基本としましょう。
やむを得ず転園・転校が必要な場合は、はやめにどのような手続が必要となるのか調べておきましょう。保育園、幼稚園については、そもそも受け入れ可能かどうかを調べておく必要があります。転校の場合は、どのタイミングが子どものためか考え、そこから逆算して離婚の準備を進めておく必要があります。

姓・戸籍に関する手続き

離婚後、子どもの親権を持った、子どもと同居することになったからといって子どもの姓、戸籍が変わるわけではありません。子どもの姓を変え、今の戸籍から外すためにはどのような手続が必要なのかあらかじめ調べておきましょう。詳細な解説な以下の関連記事に譲りますが、家庭裁判所に子どもの姓の変更申立てを行い家庭裁判所から許可を得たら、役所で入籍届を行うという流れとなります。

離婚後の手続き(5)~保険証の切り替えなど

離婚後、配偶者の扶養から抜けて国民健康保険に加入する場合、あるいは国民健康保険から健康保険に加入する場合などは保険証の切り替えが必要です。それ以外も切り替えが必要となる場合がありますので確認しましょう。
保険証の切り替えが必要で、配偶者の扶養に入っている場合は、配偶者に勤務先で健康保険資格喪失届を出してもらい、健康保険資格喪失証明書を取得する必要があります。離婚する時期が確定した段階で、はやめに配偶者に手続きをとってもらっておきましょう。

まとめ

離婚後も様々な手続きが必要になります。特に、姓や住所を変える場合は手続きが多くなりますから、事前にどんな手続きが必要か、どんな手続きを踏む必要があるのかしっかり把握しておくことが大切です。

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投稿者プロフィール

小吹 淳
小吹 淳
離婚分野を中心に取り扱う行政書士です。 行政書士に登録する前は法律事務所に約4年、その前は官庁に約13年勤務していました。実務を通じて法律に携わってきた経験を基に、離婚に関する書面の作成をサポートさせていただきます。