別居・離婚と児童手当 | 受給者を変更する方法や必要な書類とは?

別居や離婚で児童手当の受給者を変更する方法を知りたい
準備しておくべき書類を知りたい

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

子どもをもつ方の多くが、児童手当を重要な収入源の一つと考えていることと思います。では、その児童手当ですが、別居、離婚した場合は、誰が、どのような手続を経て受け取ることができるのかご存知でしょうか?
別居、離婚を検討する際は、児童手当の手続きについてもしっかり頭に入れておく必要があります
この記事では、状況別に、必要な手続きや準備しなければならない書類を詳しく解説していきます。ぜひ、今後の参考にしていただけると幸いです。

児童手当の受給者を変更する流れ

児童手当は子どもと一緒に暮らし、子どもと生計を同じくしている養育者(親など)に支給されます。婚姻中は所得の高い方に支給されていますが、離婚後、所得が低い方が子どもと一緒に暮らす場合は受給者を変更する手続きが必要になります。そこで、以下では、児童手当の受給者を変更するまでの一般的な流れについてみていきたいと思います。

支給条件を確認する

まず、児童手当の一般的な支給条件のほか、次の支給条件を満たすかどうかを確認しておく必要があります。なお、条件を満たさない場合でも、児童手当の受給者を変更できる方法はあります。詳しくは、のちほど解説します。

子どもと一緒に生活し、生計を同じくしていること
住民票上、今の受給者と世帯が別になっていること
離婚手続(協議)中、あるいは離婚したことを証明できること

申請に必要なものを準備する

次に、支給条件を満たすことを確認できたら、受給者変更のために必要なものを確認しておきましょう。児童手当の受給者を変更するには、以下のものと必要書類を準備した上で、お住いの役所宛に申請する必要があります。必要書類については状況により異なります。

【申請のために準備するもの】
・申請者及び配偶者の「マイナンバーカード」または「通知カード」
・請求者名義の金融機関口座の通帳
・請求者の「健康保険証」または「年金加入証明書」
・請求者の身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)
・(受給事由消滅届)※のちほど解説します

必要書類を役所に提出し、認定を受ける

必要書類を準備できたら、必要書類をお住いの役所に提出します。担当部署で内容を審査し、必要書類に過不足なく条件をクリアしていれば受給者変更の認定を受けることができます。認定されれば、後日、通知書がご自宅に郵送されてきます。

【状況別】児童手当の受給者変更の可否と手続き

それでは、ここからは状況別に、児童手当の受給者変更のために必要な手続や書類などについて詳しくみていきましょう。

状況①~同居中、離婚手続中、住民票同じ

この場合は、②の条件を満たしませんから、基本的には受給者を変更できません。もっとも、住民票が同じでも世帯分離の手続きをとることができれば別居と同様に扱ってもらい、受給者を変更できます。

参照:児童手当Q6&A | 内閣府

状況②~別居中

単に別居している場合は、③の条件を満たしませんから、受給者を変更できません。ただ、今後、離婚手続を進めていく場合に備えて、「状況➃」でご紹介する書類の準備を始めておいた方がよいでしょう。

状況③~別居中、離婚手続中、住民票同じ

住民票が同じ場合は、配偶者に「受給事由消滅届(※)」に記入してもらいましょう。そして、配偶者が役所に提出した後、あらたに児童手当の「受給認定請求書」を役所に提出して申請すれば受給者を変更できます。あるいは、配偶者から受給事由消滅届を受け取り、代理で提出して申請することも可能です。

※受給者(配偶者)が子どもを養育しなくなったとき(別居時)から15日以内に役所に提出する必要があります。書式はインターネットでも公開されています。

状況④~別居中、離婚手続中、住民票別

一方、住民票が別の場合は、「児童手当等の受給資格に係る申立書」と「離婚手続中であることを明らかにできる書類」を準備して手続すれば受給者変更することができます。

【離婚手続中であることを明らかにできる書類(例)】
・離婚協議書申し入れに係る内容証明郵便の謄本
・離婚調停の期日呼出状
・家庭裁判所における事件係属証明書
・調停不成立証明書
・弁護士等、第三者により作成された書類(申請者宛の離婚協議の進捗状況報告書等)
・離婚の事実がわかる戸籍謄本
・離婚届受理証明書

参照:児童手当Q3・4&A | 内閣府

状況⑤~離婚成立、住民票別

この場合は、離婚後にお住いの役所宛に申請すれば受給者を変更できます。受給事由消滅届、児童手当等の受給資格にかかる申立書、離婚手続中であることを明らかにできる書類は不要です。

状況⑥~離婚成立、住民票同じ

この場合は、状況③と同じ方法で受給者を変更できます。配偶者に受給事由消滅届を書いてもらうことが面倒な場合は、先に住民票の異動手続きをとっておくとよいです。

状況⑦~DVで別居

DVが原因で別居したものの住民票を異動していない場合は、申請者と子どもが配偶者の健康保険の扶養に入っていないこと、かつ、「配偶者からの暴力について確認できる資料」を提出することなどを条件に、受給者を変更できことがあります(詳細はお住いの役所に問い合わせるのが確実です)。
また、配偶者からの暴力について確認できる資料を提出することが難しい場合は、「客観的に配偶者が子どもと生計を同じくしていないこと、あるいは子どもを養育していないこと」が役所側で確認できる場合には、受給者を変更できます。

【配偶者からの暴力について確認できる資料(例)】
・DV防止法に基づく保護命令が出ていることがわかる資料
・婦人相談所等による「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書」
・申請者により、配偶者等からの住民票等への閲覧等の制限に係る申し出を受け、当該支援対象となっていることがわかる資料

参照:児童手当Q9・10・11&A | 内閣府

まとめ

別居、離婚するにあたって、子どもと一緒に生活する場合は、児童手当の受給者変更の申請手続きが必要です(今現在受給者でない場合)。申請手続きは、条件を満たせば離婚後のみならず、離婚前からでも可能です。状況により、手続や必要となる書類が異なりますので、しっかり確認しておきましょう。

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投稿者プロフィール

小吹 淳
小吹 淳
離婚分野を中心に取り扱う行政書士です。 行政書士に登録する前は法律事務所に約4年、その前は官庁に約13年勤務していました。実務を通じて法律に携わってきた経験を基に、離婚に関する書面の作成をサポートさせていただきます。