離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼するメリット・デメリット

  • 離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼するメリット・デメリットは?
  • 行政書士に依頼した方がいいのはどんなとき?

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

離婚公正証書の作成手続き自体は、行政書士などの専門家に依頼しなくても、ご夫婦で進めていただくことは可能です。そこで、専門家に依頼するメリットは何なのか?、どんな場合に専門家に依頼すべきか、疑問に思う方もおられると思います。

そこで、この記事では、離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼するメリット・デメリットや作成手続きを行政書士に依頼した方がいい場合について解説していきたいと思います。

離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼するメリット

それでは、さっそく離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼するメリットからみていきましょう。

【メリット1】リーガルチェックを受けられる

まず、そもそも離婚公正証書を作成するには、夫婦で離婚することについて合意する必要があります。そして、離婚に合意できたら、養育費をはじめとする離婚条件について話し合い、合意する必要があります。その後、公証人との面談で合意した内容を公証人に伝え、公証人に離婚公正証書を作ってもらう、というのが離婚公正証書を作るまでの基本的な流れとなります。

もっとも、夫婦で合意しなければならない離婚条件は多岐にわたります(特にお子様がいる場合)。また、各離婚条件の内容も、ご夫婦お一人お一人のご事情、ご要望によって異なります。そのため、ご自分で手続きを行おうとすると、どうしても漏れや法的不備が出てきてしまいがちです。

この点、行政書士に依頼していただければ、合意した離婚条件がご夫婦のご事情、ご要望に沿ったものであるかどうか、離婚条件に漏れや法的不備がないかどうかなどのリーガルチェックを受けることができます

【メリット2】手続きを一任できる

離婚公正証書を作成する場合は公証役場で手続きを取る必要があります。公証人との面談、離婚公正証書への調印(署名・押印)等のために公証役場へ足を運ぶ必要があります。ただ、仕事や家事・育児で忙しい方にとっては、時間を割くのも難しいという方も多いと思います。

この点、行政書士に依頼していただければ、公証役場での手続きをすべて任せることができます。公証人との面談はもちろん、離婚公正証書への調印も任せることができますので、公証役場に一度も足を運ぶことなく離婚公正証書を作成することが可能です(ただし、一方代理の場合は、代理を任せなかった側は公証役場へ足を運ぶ必要があります)。

手続きを行う公証役場はどの公証役場でもかまいません。たとえば、北海道にお住いの方が弊所に依頼していただき、福岡県内にある公証役場で離婚公正証書の作成手続きを進めることも可能です。

【メリット3】要望を反映してもらえる

公証人に満足のいく離婚公正証書を作ってもらうには、公証人に離婚公正証書に盛り込んで欲しいことをきちんと伝えなければいけません。もっとも、そもそも公証役場に行くのが初めてで緊張し、公証人に離婚公正証書に盛り込んで欲しいことをうまく伝えることができるか不安、という方も多いでしょう。

また、きちんと伝えたつもりでも、ご夫婦の要望どおりの離婚公正証書を作ってくれない公証人も中には存在します。公証人が作った離婚公正証書の案の修正を公証人に依頼することは、一般の方にはとても勇気のいることでしょう。

この点、行政書士に依頼していただければ、公証人にご夫婦の「想い」をきちんと伝えることが可能です。仮に公証人がご夫婦の想いと異なる原案を作ってきた場合は、行政書士がご夫婦の代わりに公証人と交渉し微調整を図ってまいります。

【メリット4】負担を軽減できる

離婚公正証書を作るには夫婦の話し合い(合意)、合意内容の取りまとめ、公証人との面談、公証役場での手続きなど、やるべきことがたくさんあります。これらを日常生活と並行しながらやり遂げることは肉体的にも精神的にも大きな負担です。離婚にあたっては、離婚後の生活のことなど上記以外のことも検討し、手続きを進めていかなければなりません。

この点、行政書士に依頼していただければ、少なくとも合意内容の取りまとめ、公証人との面談、公証役場での手続きのご負担は軽減できます。一方、行政書士は夫婦の話し合いに介入できません(代理人として相手方と交渉することはできません)が、あくまで中立的な立場で話し合いの場に同席することはできます。また、離婚後も可能な限り、アフターフォローさせていただくことも可能です。

【メリット5】お金を受け取る確実性が増す

相手と離婚条項について合意できたら口約束だけに終わらせず、書面に残しておくことが大切です。口約束だけに終わらせると、後で約束(合意)した証明ができないため、簡単に約束を破られてしまうからです。

一方、離婚公正証書を作っておけば、お金の未払いがあった場合は相手の給与等の財産を差し押さえることが可能です。そのため、離婚公正証書を作ることで相手に「財産の差押え」という心理的なプレッシャーをかけることができ、それが結果として確実な金銭の支払いにつながる可能性があるのです。

このメリットは直接的には離婚公正証書を作るメリットといえますが、離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼することで離婚公正証書を取り交わす可能性が高まりますから、間接的には行政書士に依頼するメリットともいえます。

【メリット6】離婚後も安心して生活できる

離婚後は、相手が

  • 養育費を払ってくれない
  • 慰謝料を払わない
  • 財産を引き渡さない
  • 面会交流を認めてくれない

など様々なトラブルに直面されている方が多いです。

これらのトラブルはいずれも、離婚前にきちんと話し合い、書面に残しておけば回避できたトラブルだったかもしれません。離婚公正証書を作ること、それを行政書士に依頼することは離婚後の生活の安心にもつながります

離婚公正証書を行政書士に依頼するデメリット

一方、離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼するデメリットは次のとおりです。

【デメリット1】話し合いは夫婦で行う必要がある

先にも触れましたが、行政書士は依頼者の代理人となって相手方と交渉することができません。つまり、離婚公正証書の作成手続きを行政書士に依頼した場合でも、その前提となる話し合いだけはご夫婦で行っていただく必要があります

そもそも相手と話し合いができない、有利な条件で離婚できるよう相手と交渉して欲しい、などという場合は、かかる費用は高額となりますが弁護士に依頼する必要があります。行政書士は代理交渉ができない分かかる費用は安くなります。

【デメリット2】費用がかかる

離婚公正証書を作るには作成費用がかかります。作成費用は公証役場に支払います。作成費用は養育費、財産分与、慰謝料の金額をベースに計算されるため、これらの金額によって変動があります。加えて、行政書士に離婚公正証書の作成を依頼した場合の費用をご負担いただく必要があります。

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投稿者プロフィール

小吹 淳
小吹 淳
離婚分野を中心に取り扱う行政書士です。 行政書士に登録する前は法律事務所に約4年、その前は官庁に約13年勤務していました。実務を通じて法律に携わってきた経験を基に、離婚に関する書面の作成をサポートさせていただきます。