• 離婚協議書の作成を専門家に依頼した場合の費用はいくらかかりますか?

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

協議離婚するにあたって離婚協議書を作らなければならないというルールはありませんが、離婚後のトラブルを防ぐためには作っておいた方が安心です。

とはいえ、離婚協議書を自分で作ることができない、作ってはみたもののこれでいいのか不安、という思いから専門家に作成を依頼してみようと考えている方も多いと思います。

そこで、今回は、専門家に離婚協議書の作成を依頼した場合の作成費用の相場について、弁護士と行政書士にわけて解説したいと思います。

この記事を書いた人

行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
行政書士・夫婦カウンセラー:小吹 淳
離婚・夫婦問題のみを取り扱う行政書士です。夫婦トラブルの相談(カウンセリング)、離婚・不倫関係の各種書面の作成などに対応しています。自身も2児の父親として子育て真っ最中です。「依頼してよかった」と思っていただけるよう、誠心誠意、最後まで責任をもって対応いたします。
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自分で離婚協議書を作るなら作成費用は無料

まず、自分で離婚協議書を作るのであれば作成費用は「ほぼ」無料です。

「ほぼ」と言うのは、細かくいえば、離婚協議書関連の情報をネットで検索する際の通信費や離婚協議書関連の書籍を購入した際の書籍代、離婚協議書をプリントアウトする際の用紙代などを含めると無料ではないという意味ですが、これらの費用を除けば作成費用は無料です。

自分で離婚協議書を作ることはできる?

問題は自分で離婚協議書を作ることができるかです。

確かに、今はネットで検索すれば離婚協議書のサンプルをダウンロードすることができますし、ネットには離婚協議書を作るための情報が数多く掲載されていますので、離婚協議書の作成に関する知識がない方でも作成にチャレンジすることはできると思います。

しかしながら、離婚協議書のサンプルは個別の事情に沿って作られたものではありませんし、ネットに掲載されている情報の中には不正確な情報が含まれていたり、情報量が不足していて個別の悩みを解決するまでには至らないことが多いと思います。

そのため、離婚協議書の作成にチャレンジはしてみたものの途中で挫折してしまうか、法的不備のある離婚協議書や内容が不足している離婚協議書を作ってしまう可能性が極めて高いです。

実際に、筆者は、これまで一般の方が作成した離婚協議書を数多くみてきましたが、一切修正せずそのまま離婚協議書として使える書面だったという経験は一度もありませんでした。

離婚協議書はあなたや子どもの生活を守る重要な書面でもあるため、はじめから離婚協議書の作成を専門家に依頼するか、ご自分で作った離婚協議書を専門家にチェックしてもらうことをおすすめします

離婚協議書の作成を依頼した場合の作成費用

では、専門家に離婚協議書の作成を依頼した場合、作成費用はいくらかかるのでしょうか?以下では、一般的に依頼されることの多い弁護士、行政書士についてみていきたいと思います(司法書士、税理士の中にも依頼を受け付けている方もいますが、弁護士や行政書士に比べて数は少ない印象です)。

弁護士【5万円~15万円】

まず、弁護士に離婚協議書の作成を依頼した場合の作成費用は「5万円~15万円」程度が相場です。

ここでいう作成費用には、事務所によっては、離婚協議書を取り交わす場面に立ち会う際などに発生する「日当費」や離婚協議書を郵送する際などに発生する「実費」が含まれている場合と含まれていない場合があります。

なお、事務所の中には、離婚協議書の作成のみの依頼は受け付けておらず、離婚交渉もセットで依頼しなければならないところもあります。離婚交渉もセットで依頼した場合は、その分の費用が加算されます。

行政書士【2万円~10万円】

次に、行政書士に離婚協議書の作成を依頼した場合の作成費用は「2万円~10万円」程度が相場です。

離婚協議書の作成のみで比べると、弁護士よりも行政書士の方が作成費用は安いと思います。行政書士の場合も作成費用に日当費、実費を含めている事務所と含めていない事務所がありますので、よく確認しましょう。

弁護士と違い、行政書士は代理交渉ができないため、離婚交渉もセットで依頼しなければならないということはありません。一方、あとで解説するように、公正証書の作成手続きの代理は行政書士にも依頼できることがあります。

依頼するのは弁護士?行政書士?

では、離婚協議書の作成を依頼するのは弁護士、行政書士のどちらがいいのでしょうか?この疑問を解決するには、弁護士と行政書士の違いをきちんと把握しておく必要があります。

弁護士と行政書士の一番の違いは代理交渉ができるかどうかです。すなわち、代理交渉できるのが弁護士、できないのが行政書士です。そのため、まずは

  • 自分たちで話し合いができる→行政書士
  • 自分たちで話し合いができない→弁護士

という基準で依頼を検討してみましょう。

自分たちで話し合いができるのであれば、離婚協議書の作成を行政書士に任せながら、話し合いに専念できます。離婚協議書の内容は話し合いの結果を反映させたものになりますから、離婚協議書を作るにあたってどんなことを話し合えばよいのか、行政書士からアドバイスを受けながら話し合いを進めることができます。

一方で、自分たちで話し合いができない場合は、弁護士に依頼することも検討しなければいけません。また、頑張れば話し合いはできるものの、精神的な負担を軽くしたい、話し合いを有利に進めてもらいたい、という場合も弁護士に依頼することを検討した方がよいでしょう。

公正証書を作成する場合の作成費用

離婚協議書ではなく公正証書を作成する場合は次の費用がかかります。

依頼費用

まず、専門家に公正証書の作成手続きの代理を依頼する場合は、専門家に払う費用がかかります。

この場合の費用は、離婚協議書の作成費用に比べて「2万円~5万円」ほど割高となりますが、依頼すれば公正証書の原案(離婚協議書)作成から公正証書の作成手続きまですべて任せることができます。公正証書の作成手続きの代理は弁護士のみならず、行政書士にも依頼できることがあります(要問い合わせ)。

公正証書の作成費用

次に、専門家に払う費用のほかに、公証役場に払う費用がかかります。

公正証書の作成費用は、専門家に依頼しなくても必ずかかる費用です。おおむね「2万円~6万円」の範囲内でおさまることが多いですが、実際にいくらかかるかは公正証書に盛り込む条項の内容や公正証書の枚数などにより異なります。正確な金額は、公証人が公正証書を作った後、公証役場から依頼者に提示されます。