- 離婚後の再婚で気をつけることはなんですか?
- 再婚禁止期間って何ですか?
女性が離婚後に気をつけなければならないことの一つに再婚禁止期間があります。あとで解説するように、今後は廃止されますが、効力が続いている間は気をつける必要があります。そこで、今回は、再婚禁止期間の内容や意義、改正点について詳しく解説していきたいと思います。
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離婚・夫婦問題のみを取り扱う行政書士です。夫婦トラブルの相談(カウンセリング)、離婚・不倫関係の各種書面の作成などに対応しています。自身も2児の父親として子育て真っ最中です。「依頼してよかった」と思っていただけるよう、誠心誠意、最後まで責任をもって対応いたします。
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再婚禁止期間とは
再婚禁止期間とは、文字通り、再婚を禁止されている期間のことです。
具体的には、離婚成立後から100日間(かつては6か月間)で、女性のみこの再婚禁止期間が設けられています。
再婚禁止期間の計算方法
再婚禁止期間は離婚成立日を1日目としてカウントし、その後100日目が経過した後の101日目から再婚が可能となります。
たとえば、令和5年9月1日(金曜日)が離婚成立日の場合、9月1日を1日目としてカウントします。その後、
9月 ・・・30日
10月・・・31日
11月・・・29日
と経過し、11月29日までが再婚禁止期間となり、翌日の11月30日から再婚が可能となります。
女性のみ再婚禁止期間が設けられている理由は?
女性のみ再婚禁止期間が設けられている理由は、離婚後に出産した子どもの父親が誰かという混乱(元夫の子どもか再婚相手の子どもかの重複)を避けるためだと考えられています。
すなわち、離婚後に出産した子どもの母親が誰であるかは出産という事実のみで証明できますが、父親についてはそうはいきません。
そのため、法律では、
①離婚後300日以内に生まれた子どもは「元夫(離婚前の父親)の子ども」と推定する
②再婚後、200日を経過した後に生まれた子どもは「再婚相手の子ども」と推定する
という定めが設けられています。
仮に離婚後すぐ(100日以内)に再婚できるとなると、①と②との期間が重なる期間ができてしまい、離婚後に生まれてきた子どもが元夫の子どもなのか、再婚相手の子どもなのかがわからなくなってしまいます。
そこで、①と②との重複期間をなくすために再婚禁止期間が設けられているのです。
再婚禁止期間中の再婚の効力は?
再婚(婚姻)の効力は役所に婚姻届が受理されてはじめて効力が生じます。ただし、再婚禁止期間中に役所に婚姻届を出しても役所は受理しませんから、再婚の効力は生じないことになります。
なお、万が一役所に誤って婚姻届を受理された場合の再婚の効力は有効です。ただし、離婚後100日を経過するまで、あるいはあなたが出産するまでは、元夫などからの請求によって再婚が取り消されることがあります。
再婚禁止期間が適用されないケース
先ほど解説したとおり、法律が再婚禁止期間を設けている趣旨は父子関係の重複を避けることにありました。そのため、次の場合のように、およそ父子関係の重複が発生することが考えられない場合には再婚禁止期間が適用されない、すなわち、再婚後100日以内でも再婚することができます。
㋐離婚時に妊娠していない場合(離婚後に妊娠した場合)
㋑離婚後に出産した場合
㋒離婚後に同じ元夫と再婚する場合
㋓高齢などで妊娠の可能性がないといえる場合
※㋐、㋑の場合は、役所に婚姻届を出すときに医師が作成した証明書(診断書)もあわあせて出す必要があります
再婚禁止期間に関する改正
なお、令和4年12月の法律改正により、
離婚後300日以内に生まれた子どもは「元夫(離婚前の父親)の子ども」と推定する
との規定が
(元夫以外の男性と再婚している場合には)離婚後300日以内に生まれた子どもでも、「再婚相手の子ども」と推定する
との規定に変わります(原則として、2024年4月1日以降に生まれた子どもに適用されます)。
これまで離婚後300日以内に生まれた子どもは元夫の子どもと推定されていたため、出生届を出すことなく、子どもが無戸籍のままとなっている問題(いわゆる300日問題)が社会的な問題となっていました。
しかし、上記の改正により、再婚後に生まれた子どもである限り、再婚相手の子どもと推定されるということで300日問題の解消に向けて一歩前進した形です(ただし、再婚していない場合はこれまでどおり元夫の子どもと推定されます)。
また、これに関連して
再婚禁止期間の規定も削除
されます。再婚禁止期間の規定も2024年4月1日をもって削除されます。