浮気した配偶者と浮気相手は、あなたに対し、連帯して慰謝料を支払う義務を負っています。したがって、あなたは配偶者にも浮気相手にも慰謝料を請求できます。また、浮気相手(あるいは配偶者)に対してだけ慰謝料を請求することもできます。
特に、配偶者と離婚しない場合は、配偶者に慰謝料を請求しない代わりに、浮気相手に対してだけ慰謝料を請求したいと考える方もおられます。そこで、この記事では、浮気相手に慰謝料をするための条件、慰謝料の相場、請求の手順、請求する際の注意点について解説していきたいと思います。
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浮気相手に慰謝料を請求するための条件と相場
浮気相手に慰謝料を請求するための条件は次の4つです。
①配偶者と不貞関係にあったこと
②故意・過失があること
③不貞関係にあった当時、婚姻関係が破綻していなかったこと
④時効が完成していないこと
配偶者に対する慰謝料請求と共通の条件は①、③、④で、浮気相手に対する慰謝料請求で特有の条件は②です。
故意とは知っていた、過失とは知らなかったことにつき落ち度があった、という意味です。浮気相手に慰謝料を請求するには、浮気相手が「配偶者が既婚者であること」と「婚姻関係が破綻していないこと」を知っているか、これらを知らないことにつき落ち度があることが必要です。
【ケース別】浮気相手に対する慰謝料請求の対応
浮気相手に対する慰謝料請求の対応は、配偶者と離婚するか否かで異なります。
離婚する場合
まず、浮気を原因に離婚する場合は、基本的に配偶者に対してしか離婚慰謝料を請求することができません。
離婚しない場合
一方、離婚しない場合は配偶者ではなく、浮気相手に慰謝料を請求することがあります(あるいは、請求せずに接触禁止等だけを求めることもあります)。配偶者に請求しないのは、仮に払ってもらっても、生活費を同じくにする以上、実質的な経済的利益を得ることができないからです。
浮気相手に慰謝料を払わせるまでの手順
浮気相手に慰謝料を請求する場合は、①から⑩までの事前準備をしっかり行いましょう。浮気相手もそれなりの対策を立てている可能性もありますから、事前準備がない、あるいは不十分なまま慰謝料を請求しても失敗に終わる可能性が高いです。
①慰謝料請求の条件をチェックする
②自分で調査してみる
③探偵に相談、依頼する
➃不倫相手の住所を調べる
⑤配偶者と今後について話し合う
⑥誓約書、示談書を作成する
⑦請求書面、内容証明を作成する
⑧専門家に相談、依頼する
⑨話し合いの場所を探す
⑩ボイスレコーダーなどを準備する
①から⑩の詳細につきましては以下の記事で詳しく解説しています。
浮気相手に慰謝料を請求する際の注意点
最後に、浮気相手に慰謝料を請求する際の注意点をみていきましょう。
浮気の証拠を集めておく
まず、浮気の証拠を集めておくことです。
浮気相手に慰謝料を請求するには、あなたに慰謝料を請求するための条件を証明する責任があります。浮気相手に慰謝料を請求する場合は、浮気相手の故意又は過失も証明しなければいけません。これらを証明する武器となるのが証拠です。
仮に、話し合いで配偶者と不貞関係にあったことや故意を否認された場合、証拠がなければ太刀打ちできません。浮気相手に否認させないため、否認された場合にきちんと対応できるようにするためにも浮気の証拠を集めておく必要があります。
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時効が完成している可能性がある
次に、浮気されてからときが経っている場合は時効に要注意です。
浮気の慰謝料の時効期間は、あなたが浮気の事実と浮気相手(の氏名、住所)を知った日の翌日から「3年」です。一方、離婚慰謝料の時効期間は、離婚成立日から3年です。離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料で、時効期間のスタート地点が異なりますので注意しましょう。
求償権を行使される可能性がある
次に、浮気相手から求償権を行使される可能性があることです。
求償権とは、同じ責任を負う相手に対して、自分の責任割合を超えた金額を払えと請求できる権利のことです。浮気相手に慰謝料を請求する場合、配偶者が浮気相手から求償権を行使されることを防ぐため、浮気相手に求償権を放棄することへの合意を取り付けることがあります。ただ、浮気相手がこれに合意する場合、交換条件として、慰謝料の減額を求められることがあります。
W不倫の場合は配偶者が慰謝料請求される可能性も
次に、W不倫の場合は配偶者が慰謝料請求される可能性があることです。
W不倫の場合、あなたのほかに浮気相手の配偶者も不倫の被害者です。浮気相手が自ら配偶者に不倫したことを打ち明けることは考え難いですが、仮に、浮気相手の配偶者に不倫がバレた場合はあなたの配偶者が不倫相手の配偶者から慰謝料請求される可能性があります。
慰謝料を受け取っていると請求できない?
最後に、配偶者からすでに慰謝料を受け取っている場合は、浮気相手に請求できない可能性があることです。
冒頭で述べたとおり、浮気相手と配偶者は連帯してあなたに対して慰謝料を支払う義務を負っています。そのため、仮に、慰謝料全額が100万円として、その100万円を配偶者から受け取った場合は、浮気相手に慰謝料を請求することはできません。請求できるとなれば二重取りになってしまうからです。
もっとも、配偶者から受け取った慰謝料が一部の金額にとどまる場合や、浮気とは別の原因(DVなど)で慰謝料請求する場合は、浮気相手に慰謝料を請求することができます。


