不倫相手に慰謝料請求する方法としては口頭、メール、書面があります。このうち不倫相手の住所宛に内容証明の書面を送って慰謝料請求する場合は、不倫相手の住所を把握しておく必要があります。

ただ、この記事をお読みの方の中には、不倫相手と面識がなく、顔や名前、住所すらわからない、あるいは顔や名前はわかるが住所はわからず、慰謝料請求できるかどうか悩んでいる方もおられると思います。

そこで、この記事では、不倫相手の住所がわからないと慰謝料請求できないのか、住所の調べ方としてどのような方法があるのか、といったことについて詳しく解説していきたいと思います。

この記事を書いた人

小吹 淳:R7司法書士試験合格者・行政書士
小吹 淳:R7司法書士試験合格者・行政書士
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目次

不倫相手の住所がわからないと請求できない?

まず、結論から申し上げると、不倫相手の住所がわからなくても慰謝料請求することはできます

不倫相手の住所がわからなくても、不倫相手の電話番号、メールアドレス、LINE・SNSアカウントを知っていれば不倫相手とコンタクトをとることができますから、直接のやり取りで慰謝料請求することはできます。また、やり取りの際に住所を聞いてみてもよいでしょう。

また、不倫相手の住所がわからなくても、書面を送ることができる場合があります。それは、不倫相手の勤務先を知っている場合と不倫相手とコンタクトがとれる場合です。ただし、前者の場合は、送り方に細心の注意を払う必要があります。後者の場合は、郵便局の局留めと私書箱の制度を使う方法があります。

不倫相手の住所を調べる方法

不倫相手の住所がわからなくても慰謝料請求することはできますが、もし裁判を見据える場合は住所を調べておいた方がよいでしょう。裁判を始めるにあたって必要な訴状を裁判所から不倫相手に届ける必要があるところ、そのためには訴状に不倫相手の住所を書いておく必要があるからです。以下では、不倫相手の住所を調べる方法をご紹介していきます。

①不倫相手に聞く

まず、不倫相手と直接コンタクトをとることができる場合は、不倫相手に直接聞いてみるとよいでしょう。この方法が一番手っ取り早く簡単ですから、まずはこの方法が可能かどうかを検討してみましょう。

②配偶者に聞く

次に、配偶者に聞いてみる方法もあります。詳細は知らないまでも、過去に不倫相手の自宅に行ったことがある場合はおおまかな場所だけでも把握することができ、そこから正式な住所を特定できるかもしれません。

③自分で調査して調べる

不倫相手や配偶者に聞くことができない場合は、自分で調査して調べることも考えられます。もっとも、個人で行う調査で得られる情報には限界があります。また、調査がバレる、犯罪を犯してしまう危険も伴います。

➃弁護士に依頼する

次に、弁護士に依頼するという方法もあります。弁護士に依頼すれば、弁護士が弁護士照会制度を使って不倫相手の住所などを調べてくれます。ただし、弁護士照会だけ弁護士に依頼することはできません。

⑤探偵に依頼する

最後に、探偵に依頼することです。不倫相手に慰謝料請求するには、あらかじめ不倫の証拠を集めておく必要があります。探偵に不倫の証拠集めについて相談するときは、あわせて不倫相手の住所の調査についても相談するとよいでしょう。

弁護士、探偵に依頼する前に調べておきたい情報

先ほどの①から③の方法で不倫相手の住所を調べることが難しい場合は弁護士、あるいは探偵に依頼するほかありません。もっとも、弁護士も探偵も万能ではありません。

弁護士は何の情報もなしに不倫相手の住所を調べることはできません。探偵も同様です。弁護士にも探偵にも、できる限りあなたが把握している不倫相手の情報を提供した方が、よりスピーディーに正確に不倫相手の住所を調べてくれるでしょう。

そこで、以下では、弁護士・探偵に依頼する前に、ご自分でチェックしておきたい箇所、集めておきたい情報をご紹介していきたいと思います。

電話履歴:携帯電話番号、名前

まず、不倫相手の目星をつけることができたらスマホの電話履歴をチェックしてみましょう。電話帳には不倫相手の本名で登録している人も多いですから、携帯電話番号のほか名前がわかる場合もあります。不倫相手の携帯電話番号さえわかれば、弁護士照会制度によって不倫相手の住所、名前を調べることが可能です。

メール:メールアドレス

また、電話履歴のほか不倫相手のキャリアメールとアドレスもチェックしておくとよいです。携帯電話番号と同様、弁護士照会制度によって不倫相手の住所、名前を調べることが可能です。

ドライブレコーダー:顔・勤務先・住まい

車にドライブレコーダーが設置されている場合はドライブレコーダーをチェックしてみましょう。配偶者が車を不倫相手との密会の場所に使っている場合は、ドライブレコーダーに不倫相手の顔や不倫相手との会話が記録されている可能性があります。会話からは不倫相手の勤務先(職業・職場)やおおよその住まいがわかることがあります。

ボイスレコーダー:勤務先・住まい

配偶者の車や書斎などにボイスレコーダーをしかけておくことも一つの方法です。ボイスレコーダーからも不倫相手の勤務先(職業・職場)やおおよその住まいがわかる場合があります。ただし、バレないよう、設置には細心の注意を払う必要があります。

車両ナンバー:住所

不倫相手の車を特定できている場合は車両ナンバーを写メしておきましょう。車両ナンバーを特定できれば、弁護士照会から不倫相手の住所、名前を調べることができます。

facebook:住まい、勤務先、電話番号

不倫相手の目星がついている場合はfacebookをチェックしてみるのもよいでしょう。Xなどと異なり、意外と本名のほか不倫相手の勤務先(職業・職場)、住まいまで掲載している人が多いです。

職業(職場):氏名、車(車両ナンバー)

不倫相手の職業(職場)がわかっている場合は、勤務先のホームページなどを細かくチェックしましょう。不倫相手の顔写真と名前が掲載されているかもしれません。また、不倫相手が車通勤している場合は、不倫相手の出勤・退勤時を見計らって車種や車両ナンバーを調べることもできます。